2011年1月18日火曜日

Windows というインフラは、本当に基盤足りえるのか?

世界の構造的な不況の原因のひとつには、唐突かもしれないが、間違った IT やオペレーティングシステムの選択という要因が絡んでいるのではないだろうか?

たとえば、20年前の32bit版のUNIXと比較しても、今のWindows (7を含めて)というのは本当に使いづらいと言える。何が使いづらいかというと、何かといえば直ぐに再起動が必要になるところだ。アプリケーションを新しく入れると、レジストリやコンフィグレーションの書き換え、読み直しのために再起動が必要になる、あるいは、アプリケーションを削除しても再起動が必要になる場合もある。


さらに最悪なのは、何もしなくてもWindows Updateが必要となり、再起動が余儀なくされる点だ。
読者の多くが経験しているだろうが、マーフィーの法則ならぬ、マイクロソフトの法則で、調べ物や急いでいるときに限って、こうした事態が起こるのである。

iPhone アプリがあれだけスマートなインストールをやってのけるのにも関わらず、大きな頭脳を持ち、何十年もの先行投資を重ねてきたWindowsは、誠に残念なことに、未だに基本機能、即ちインストール機能すらユーザーの期待するものにはなっていない。いや、正直に言えば、いまだに使えないのである。


マイクロソフトでEvangelistをしていた時もそうだったが、デモンストレーション用のプログラムを書いていようが、新しいデータベースサーバーの機能を試していようが、お構いなしで再起動が余儀なくされるのだ。

従って、新しいデモンストレーションを作成する前に OS とデータベースの再設定だけで何時間も無駄になるのである。開発ツールであるVisual Studioという製品に、簡単なデータベースが付されているのだが、この簡易データベースと製品版のデータベースの相性が非常に悪く、概ね、簡易データベースを削除後に正規版のデータベースの再インストールが必要になるのだ。
始末に負えない場合、開発ツール自体をいったん削除し、製品版のデータベースSQL Serverをインストールした後に、もう一度、開発ツールを最初からインストールしなおさなければならない場合すらある。

いったい、どれだけ莫大な量のエンジニアたちの時間を無駄にしてきたのだろう。間違った技術の提供で技術革新が大きく阻害されてきたという指摘は、いろいろなところから受けてきたが、それは事実だ。そして、一般ユーザーはそれ以上の被害者かもしれない。

こんなオペレーティングシステムが基盤といえるだろうか?

こんな状況だから、iPhoneのアプリがたかだか2年間で10万アプリを超えてきたのには、大きく頷ける。サクサク動き、安定している。
この数字を見れば言うまでもないことだが、要するにアプリが開発しやすいのである。

最近、64ビット版のWindows 7も出回ってきているが、私が使っている限りは15年前の64ビットUNIXマシンのほうがよっぽど性能が良い。とにかく、再起動時にバックグラウンドで何かがいろいろと動いていて遅い。とにかく遅い。再起動が無ければいいのかもしれないが、上に書いたとおりだ。そして、UNIXと違って、何が動いているのかがよく分からないのもこのOSの特徴だ。
つまり、遅いからといっても、どのプロセスを落としていいのかする判別できないシステムなのである。

そろそろ間違った技術を正す時が来たのではないだろうか?
ユーザーは本当に賢い!
iPhone, iPad, Mac, Android で世界が大きく変わり始めた!
多くの人が待ち望んでいた、本当に素晴らしいことがワールドワイドで、今、起こりつつあるのだ!!


何が正しい技術かを選び、本質的な投資を行わなければ IT 投資に伴う構造的な不況は脱しない。なぜなら、パソコンが、エンジニアにもユーザーにも馬鹿げた無駄を強いるからだ。