2011年1月22日土曜日

クラウドインフラでソフトウェアのライセンスビジネスは終焉を迎えた!

どうやら6カ月くらい前から、日本でも大きな地殻変動が起こり、Winodwsパソコンというと 古っ! という感覚となったらしい、iPhoneを中心としたスマートフォンがいまや主流のデバイスだ。

この地殻変動は、海外、とくにアメリカでは2年前くらいから顕著に起こり始めていたようだ。マイクロソフトがクラウドを必死に立ち上げようとしていた時期に、多くの投資家やデベロッパーはAPPストアでiPhone用のアプリ開発に必死だったのである。
Amazon、Google のクラウドコンピューティングは、そうしたベンチャーのWebサービス提供インフラとしては格好の試験場になった。サービスがうまく動けば、規模を簡単に拡大すれば良いし、利用者が少なければ直ぐに止められる。
こうした素地が、クラウドコンピューティングの需要を生み、土壌を育んだのである。

一方、日本はどうだったろう?
ある超有名ないソフトウェア会社は平気でこんな事を言っていたのだ。しかも鼻高々に!
「Officeのデータや表計算グラフをクラウドコンピューティングを使って簡単に共有できます。」
はぁ?
これでは、クラウドを使う意味が何処にあるのだろう?
社内サーバーへの VPN アクセスで十分じゃないの?
っていうか、クラウドの利用でセキュリティ上、脆弱になるし、何の意味があるんだっけ?

という具合だったのだ。

IT 業界のトップ企業のメッセージにも関わらず、間が抜けているというか、自分たちのライセンスビジネス基盤ではないので、クラウドを時代錯誤的な解釈でしか理解出来なかったのだ。間違ったメッセージの提供に、間違ったアーキテクチャ提示。
なるほど!今や惨憺たる状況である。

それに比べるとAppleは賢い。そしてAmazonやGoogleも本当に素晴らしい!
時代の先を読み、正しいIT投資と基盤提供の準備を行ってきた。

このITの将来を見据えた各種基盤の提供は、ライセンスビジネスのような手口とは大きく異なり、本質的に技術を革新へと向かわせている。そして、投資家、企業、利用者に無駄な料金を強いたりはしない。

いまや無料の Gmail の企業利用は当たり前、それ以上にWordやExcelのようなソフトウェアさえも無料で利用する時代となったのである。
http://www.google.com/google-d-s/intl/ja/whatsnew.html

政府や自治体も、無駄な予算を馬鹿げたライセンス製品に投じずに、積極的にこうした Google ドキュメントを利用すべきである。あるいは、政府、自治体専用のプライベートクラウドを作るというのなら、無料のオープンオフィス製品を利用するべきではないのだろうか?
http://ja.openoffice.org/

文教機関である小中校、高校や大学では、有料のソフトウェアの使い方などを生徒に教えるのではなく、無料のソフトウェアの使い方を教えるべきである。寧ろ率先して、Googleドキュメントのようなクラウド上の無料ソフトウェアを啓発するべきである。

企業は2年一度、あるいは3年に一度、まるで税金でも徴収されるかのように、ソフトウェアのライセンス料を払い続け、無駄なIT投資を垂れ流してきた。これは、マイクロソフトがソフトウェア製品そのものを購入させるのではなくて、ソフトウェア製品を使用する権利を売ってきたからである。

そう!2年単位、3年単位で、ソフトウェアを利用しても良いという権利を売るという手口なのだ。この手口は、もともと誰もがおかしいと感じていた。

例えば、あなたは同じ機能を持つ製品を、壊れてもいないのに2度も3度も購入するだろうか?
一度しか購入しないし、壊れなければそのまま利用し続けるだろう。嬉しいことに、ソフトウェアは壊れない。論理的に考えれば、2年単位、3年単位でライセンス料を払うなど根本的に間違っているのである。

クラウドで利用しやすいということもあるが、だからこそ、 Google ドキュメントの利用者が着実に増大してきているのだ。iPhone、iPadの登場で、そしてクラウドコンピューティングの出現で、世界は大きく変わり始めた。

IT基盤に、税金徴収のような手口はもう通用しない。

今やソフトウェアのライセンスビジネスは終焉を迎えているのである。